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元気堂の漢方薬通信

VOL.213 春に悪化するアトピー性皮膚炎

漢方では、疾病の発症や悪化を生じる外部からの刺激(外邪)を外感六淫(風・寒・暑・湿・燥・火)としています。また、体の中の不調により外邪に類似した症状を引き起こすものを内生五邪といいます。この中で、風のような症状(目眩、震え、痙攣、痒み)を内風といいます。其の一方で、六淫の風は、外風ともよばれます。内風による痒みを生じる皮膚疾患は、臨床上、多く見られます。外感六淫と内生五邪は、互いに影響し合い、内生五邪を生じている場合、それと類似の六淫を感受しやすい(同気相求)と考えられています。例えば、「普段から冷えのある人(内寒)は、寒さ(外寒)の影響を受けやすい。」などです。

アトピー性皮膚炎の女性Aさん「患部の赤みは強くないが、乾燥が顕著で白い薄片がポロポロ落ちる。痒みは強く、掻いても汁は少ない。髪なども乾燥しやすく、パサパサする。」などの血虚風燥の症状が主で、普段は、当帰飲子などで落ち着いていますが、春先の花粉が飛ぶ頃になると悪化してきます。

血虚風燥による内風があるため、春の主気である外風の影響を受けやすいと考え、当帰飲子と玉屏風散を併用していただくことにしました。「今年は、花粉が飛んでも痒くならず、とても楽です。」と喜んでいただけました。

アトピー性皮膚炎の治療には、いろいろな漢方理論を駆使して、臨機応変で、細やかな対応が必要となります。「アトピーには、○○湯!」などという単純なものではありません。他の疾患も同様ですが、一人一人の患部症状、全身症状、体質、悪化条件、随伴症状などにより、その方にあった治療方針に基づいた「証」を決定することが重要になります。

VOL.59 アトピー性皮膚炎3

前回に引き続き「アトピー性皮膚炎」のお話です。 「30歳の女性、A子さん。数年前にアトピー性皮膚炎と診断され、ステロイド軟膏を塗布。一時的には良くなるが再発し、徐々に悪化している。眼瞼部や頬、口周囲が特にひどく、赤み、乾燥、肥厚、落屑がみられる。月経前にひどくなりやすく、過労やストレスでも悪化しやすい。以前、アトピー性皮膚炎に良いといわれる温清飲という漢方薬と健康食品を服用していたが、改善しない。」との事でした。 温清飲は、「血熱証」のアトピー性皮膚炎に用いる漢方薬ですが、A子さんのタイプは、「 […]

VOL.43 虚弱児

虚弱児 A君は6才の男の子。お母さんにつれられてやってきました。「汗をかきやすいせいかたびたび風邪をひく。風邪をひくと長びいてなかなか治らない。食が細い。疲れ易くごろごろしていることが多い。」といった色白の少年です。 虚弱児は文部科学省の定義では、 (1)病気にかかりやすく、治りにくい。 (2)疲労しやすい。 (3)身体発育がおくれている。 (4)顔色が悪く貧血傾向。 (5)アレルギー症状をくりかえす。 (6)不定愁訴がある。 といったところですが、西洋医学では決め手となる治療手段は持ち合わせて […]

VOL.65 アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎というと、春のスギ花粉が有名ですが、スギ以外の花粉やダニ、ハウスダストなどが原因になっているものも多く、春季がピークとはいえ、通年みられる疾患です。もっとも、漢方においては、原因物質で治療方法が変わることはなく、患者さんの自覚症状が一番大切ですが…。 38才のA子さん、「透明な鼻水と鼻づまりが顕著で、くしゃみ、目の痒みを伴う。手足が冷え、寒がり。顔色が青白く、食欲も無く、疲れやすい。屋内と屋外で著明な変化はないが、寒さや疲労によって悪化する。」といった症状でした。小青龍湯や葛根湯 […]

VOL.106 不妊7

漢方では不妊を「不孕」と称し、「妊娠適齢な女性が避妊を行わずに、結婚後2年以上妊娠しないこと」を「原発性不孕」、「過去に妊娠歴があって避妊せずに2年以上妊娠しないこと」を「継発性不孕」といいます。 「36歳、お仕事が忙しくストレスも多い。結婚して3年ほど経つが、子供ができない。月経周期は14~90日と不安定。基礎体温は高温期と低温期がはっきりせず、二相にならない。月経前になると便秘し、乳房が張って痛い。疲れやすく、月経の前半には膝から下がむくみ、だるくなる。肩こりがあり、疲れると手足がほてる。」 […]