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元気堂の漢方薬通信

VOL.192 疲労で悪化するアトピー性皮膚炎

西洋医学では、アトピー性皮膚炎は、バリア機能・生理機能が低下した皮膚が、外側からの刺激を受けて発症するとされています。

これを漢方的に解釈すると、人体の抗病能力である正気(気・血・津液・精など)の不足に、外部環境の変化、飲食の不摂生、ストレス、過労などの誘因・増悪因子が加わることにより生じると考えられます。ここで、漢方治療のために大切なのは、外側からの刺激を防ぐことよりも、抗病能力である正気を充実させることです。過労や睡眠不足などで、正気を消耗し、アトピー性皮膚炎が悪化するケースは、多く見られます。

「33才のA子さん。幼少期にアトピー性皮膚炎を発症。成長と共に落ち着いていたが、社会人になり、過労で悪化。顔や上半身に多く、患部は淡紅色で、乾燥、痒み、落屑、血痂、肥厚がみられる。疲労や睡眠不足、月経中などにひどくなりやすい。」とのこと。

気血両虚と判断し、八珍湯と瓊玉膏を服用していただくことにして、できる範囲で、しっかり睡眠をとってもらうようにしました。30日ほどで効果が見え始め、悪化、好転を繰り返しましたが、その後ほとんど症状がなくなり、現在は痒みもなく、皮膚もカサカサしていません。表情も明るく、とても、お元気そうです。

漢方治療では、痒み、赤み、乾燥、鱗屑、痂皮、あるいは湿潤などの不快な症状が顕著な段階では、まず、それに対処しますが、症状が緩解してきたら、正気を補う治療に切り替えていきます。その結果、皮膚のバリア機能・生理機能を高めることになり、外側からの刺激に負けない皮膚を作っていきます。

治療には、段階や症状、悪化要因などに合わせた臨機応変で、細やかな対応が必要となります。他の疾患同様、きちんと漢方的に分類し、処方を決定することが治療の早道となります。

VOL.62 喘息 ~その2~

喘息のお子さんを持つお母さんの会でお話をさせていただいた時の事です。 講演後に、一人のお母さんから「うちの子は小青竜湯をずっと服用しているのですが、あまり効果がありません。漢方薬が効かない体質なのでしょうか?」とご質問を受けました。 症状をうかがうと、「疲れると発作が起きる、季節の変わり目や急に冷え込んだ時なども発作が起きやすい、発作時はゼーゼーして透明から白っぽい痰をだす。疲れやすく食が細い、カゼをひきやすい、汗かき。」といった様子。 漢方では、小青竜湯は、せいぜい発作期の『冷哮』タイプに使う […]

VOL.131 蕁麻疹 ~その2~

35才のA子さん、「1ヶ月前より、痒みの強い皮疹が出現し、消長を繰り返す。皮疹は月経前や飲酒時に特に悪化する。ここ数ヶ月多忙で、ストレスも多い。疲れているのに眠りが浅く、夜中に目が覚める。月経不調、足の冷え、肩こり等がみられ、やや食欲不振で軟便気味。」と少し疲れた表情で話して下さいました。ストレスが原因の肝気鬱結・肝気犯脾と判断し、八味逍遥散を服用して頂く事にしました。2週間後、不思議そうな顔で御来局。「あれから、蕁麻疹が出ません。」との事。その後、しばらく服用して頂き、蕁麻疹はすっかり良くなり […]

VOL.179 冷えを伴うアトピー性皮膚炎

漢方の診断や治療の際、弁証論治という方法を用いますが、その中でも基本となるのが、表裏・寒熱・虚実・陰陽という八綱弁証です。アトピー性皮膚炎の漢方治療において、特に重要になるのが寒熱の鑑別です。ここで、気をつけなくてはならないのが、真寒仮熱というケースです。身体の冷えが重度のために、かえって皮膚などの身体の表面には熱症状がみられるもので、この場合、皮膚が赤いからといって、冷やす漢方薬を使うのではなく、身体の冷えの治療を主としなくてはなりません。 「16才のA子さん。背中や腕を中心に、晦暗色の紅斑、 […]

VOL.84 アトピー性皮膚炎 ~その7~

アトピー性皮膚炎は、当薬局で、最もご相談の多い疾患です。 中国の古典に於いて「浸淫瘡」「血風瘡」「四弯風」「旋耳瘡」等、アトピー性皮膚炎と思われる記載がありますが、中国よりも日本の方が発生頻度が高いようです。そのためか、中医皮膚科の書籍では、「異位性皮膚炎」「遺伝過敏性皮炎」「変位性皮膚炎」等として記載されていますが、あまり詳細ではないようです。 「25才のA子さん。幼少期よりアトピー性皮膚炎。断続的にステロイド軟膏にて治療している。全身にわたり皮膚暗褐色~濃紅色で乾燥、痒みが甚だしい。患部は肥 […]