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元気堂の漢方薬通信

VOL.185 冷えと花粉症

今年も花粉症と聞いただけで、鼻がムズムズしてくるイヤな季節がやってきました。西洋医学の薬をのむと眠くなったり、喉が渇いて不都合な方、アレルギー体質を改善したい方は、漢方治療にトライしてみましょう。
花粉症(アレルギー性鼻炎)は漢方では、「鼻鼽」といいます。他の疾患同様、「花粉症」という病名にとらわれずに、症状や体質から、きちんと漢方的に分類する事が、治療する上で最も重要となります。当薬局では、花粉症を大きく二十三のパターンに分類し、約五十種類の処方を使い分けています。
その中で比較的多くみられるパターンの一つに、普段から寒がりで、手足が冷えるタイプがあります。このタイプの方は、漢方では「陽虚」といわれ、外部の刺激(花粉など)から身体を防御したり、身体を温めたりする働きをする「衛気(えき)」という気の不足が原因です。
27才のA子さん、「多量の透明な鼻水が止まらず、くしゃみ、目の痒みを伴う。手足が冷え、寒がり、お小水が近く、夜間尿が1回。普段から足腰がだるい。屋内と屋外で著明な変化はないが、寒さや冷たい飲食によって悪化する。」といった症状でした。小青龍湯や葛根湯などを始め、いくつかの漢方薬を服用したことがあるが、無効だったとのこと。肺腎陽虚と判断し、四逆湯を服用していただくことにしました。服用後すぐに症状が改善し不思議そうです。「身体も温まってきて、とても楽です。」と喜んでいただけました。陽虚タイプの花粉症の方は、普段からの冷えの改善も大切です。お気軽に、ご相談下さい。

VOL.73 不妊 ~その2~

漢方では、不妊を「不孕」「求子」「無子」「絶産」「絶子」 などと称し、婦人科分野において、古典にも多くの記載がみられます。 漢方において、五臓の中で最も妊娠に深く関わるのは腎です。腎には成長発育、生殖の源となる基本物質が蓄えられていて、これを腎精と呼んでいます。腎精が不足すると生殖機能の低下、不妊、月経不調、閉経が早まる、ホルモン分泌の異常、老化の早期化などが起こりやすくなると考えられています。そのため、漢方の不妊治療において、腎精を充実させることは必須です。 「33歳の女性。結婚して5年になる […]

VOL.162 咳喘息

Aさんは、50代の男性。「1ヶ月以上前に、カゼをひき、その後、忙しかったため無理をしすぎたせいか、カゼは治ったはずなのに、ひどい咳が治まらない。血中酸素濃度も低下しており、医師から『咳喘息』と診断された。喘鳴や呼吸困難はなく、少し息苦しい程度。痰はなく空咳が続く。疲れやすく、日中も眠くなりやすい。食後は特に眠気がひどい。咳は寒さや疲労で悪化しやすく、身体を温めたり休息で緩解する。汗をかきやすい。」といった症状でした。「脾肺陽虚」と判断し、甘草乾姜湯と医王湯を服用していただくことにしました。 服用 […]

VOL.107 アトピー性皮膚炎13

Aくんは6ヶ月の男の子。 「顔全体、特に?と額に淡紅色の紅斑、乾燥、鱗屑がみられ、まぶたの周辺は掻くとジュクジュクすることもある。耳切れが生じている。膝の裏にも紅斑がみられる。暑がりで汗をかくと痒みが増す。大便は2~3日に1回。 病院では、ステロイドの塗り薬と保湿薬を処方されているが、あまり良くならない。」との事でした。 「脾気虚証」タイプのアトピー性皮膚炎と判断し、黄耆建中湯を服用してもらいました。最初の2週間でかなり改善が見られ、便通も1日1回になってきました。その後、来局のたびに改善し、現 […]

VOL.70 関節リウマチ

48才の女性、「手首が腫れて痛む。患部は引きつるような痛みで、張っている感じがする。右足の人差し指に変形がみられ、拍動痛がすることがある。時に膝も痛い。起床時は全身が硬直気味。重い物を持ったり、過労やストレス、冷房などの冷え、雨天等で悪化しやすい。反対に休息したり、温めると楽なことが多い。」とのことでした。 気血両虚、風寒湿痺、肝気鬱結を兼ねていると考え、独活寄生湯と柴胡疏肝散を服用して頂くことにしました。 2ヶ月間ほどの服用で痛みがほぼ無くなり、服用していると体調も良いとのことで現在も服用中で […]