お問い合わせ・ご予約はこちら

0120-67-4193

お問い合わせフォーム

JR東船橋駅 南口前
定休日
日曜・月曜・祝日
元気堂の漢方薬通信

VOL.172 冷えが強いために起こる便秘

Aさんは、22才。知人の薬局さんからのご紹介。
「中学生の頃から少しずつ便秘になり始め、昨年秋から特にひどくなり、時には7日に1回くらいしか排便がない。今まで、麻子仁丸や桂枝加芍薬大黄湯などを服用したことがあるが、腹痛や下痢を発症する。四肢や腹部などが冷えやすく、便秘も冬季に悪化する。ストレスや生理前もひどくなりやすい。お腹が張ることが多い。風邪を引きやすい。」とのこと。陽気の不足と脾虚肝乗を兼ねた便秘と考え、建理湯を服用していただくことにしました。20日ほどして、来局された時には「毎日、便通があります。お腹も痛くありません。」と不思議そうです。現在も服用中ですが、良好なようです。
中医内科学によると「便秘とは、大便が詰まって通じない・排便に時間がかかる・あるいは便意があっても排便が困難であるといった病証である。」と定義されています。便秘の基本病態は大腸の伝導失調ですが、その仕組みは単純ではなく、脾・胃・肝・腎などの大腸以外の臓腑の不調が、大腸の伝導に影響を及ぼしていることも少なくありません。
便秘の漢方治療では、排便の状態や悪化条件、好転条件、随伴症状などから、食事や生活習慣の不節制による熱が原因の「熱秘」ストレスの影響が強い「気秘」過労や腹部の筋力が弱い「気虚秘」大腸の潤いが不足している「血虚秘」や「陰虚秘」冷えが原因の「冷秘」などに分類し、さらに症状、体質を分析して処方を決定していきます。
便秘とはいっても、下剤を服用すればよいという単純なものではなく、きちんと漢方的に鑑別して処方を決定することが、治療の早道となります。

VOL.181 不妊と卵巣年齢

漢方では、不妊のことを「不孕(ふよう)」といいます。不孕の漢方相談にみえる方の多くは、不妊クリニックでの治療も行っています。なかには、「卵巣年齢は○才だそうです。」と話される方もいらっしゃいます。卵巣年齢の指標になるのはAMH(抗ミュラーホルモン)といって、卵巣の中に残っている卵子の数の目安となる数値です。卵子の質の指標ではないので、妊娠率と一致するものではありません。 「35歳、結婚して5年の主婦の方。顕微授精を2回行ったが妊娠に至らず、卵巣年齢は45歳と言われた。」すっかり落ち込んで、「私に […]

VOL.121 冷え性2

アミーカ11月号は、『冷え性対策』の特集とのことでしたので、今回は、それに合わせて昨年の当薬局のカルテから、「冷え性」の患者さんを検索してみました。  「29歳女性、膝から下の冷えが激しく、寝るときも靴下を履いている。ストレスがかかると冷えがひどくなるような気がする。月経前はイライラしやすく、胸が張って痛い。月経前半に、月経痛あり。普段から肩こりがひどい。下肢は冷えるのに、飲み物は冷たい物が好き。便秘気味でスッキリ出ない。」とのこと。  ストレスが主な原因の「肝気鬱結」と判断して、八味逍遙散を服 […]

VOL.180 ストレスによる蕁麻疹

蕁麻疹というと、一般に食べ物や薬に対するアレルギー反応として起こると思われることが多いようですが、その他、感染、運動や暑さ、寒さ、日光といった刺激などによっても起こります。また、慢性の蕁麻疹の中には、心身のストレスによるものも少なくありません。 38才のA子さん、「1ヶ月程前から、痒みの強い皮疹が出現し、消長を繰り返す。皮疹は月経前やストレス時などに悪化する。ここ数ヶ月多忙で、ストレスが多く、不安感とイライラが続いている。疲れているのに眠りが浅く、夜中に目が覚める。月経不調で、肩こりがひどく、お […]

VOL.59 アトピー性皮膚炎3

前回に引き続き「アトピー性皮膚炎」のお話です。 「30歳の女性、A子さん。数年前にアトピー性皮膚炎と診断され、ステロイド軟膏を塗布。一時的には良くなるが再発し、徐々に悪化している。眼瞼部や頬、口周囲が特にひどく、赤み、乾燥、肥厚、落屑がみられる。月経前にひどくなりやすく、過労やストレスでも悪化しやすい。以前、アトピー性皮膚炎に良いといわれる温清飲という漢方薬と健康食品を服用していたが、改善しない。」との事でした。 温清飲は、「血熱証」のアトピー性皮膚炎に用いる漢方薬ですが、A子さんのタイプは、「 […]