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元気堂の漢方薬通信

VOL.170 アトピー性皮膚炎 ~その24~

アトピー性皮膚炎は、当薬局で最もご相談が多い疾患です。漢方的にみるとその発症の根幹は、気・血・津液・精などの正気が不足することにより、皮膚バリアが低下したために、暑さ、寒さ、乾燥、湿気などの環境の変化やハウスダスト、食物などのアレルゲンに反応しやすくなることと考えられます。
この場合、根本原因である正気の不足を補うなどの治療を「本治」、アレルゲンなどにより誘発・増悪した症状を抑える治療を「標治」といいます。
「20才のA君、身体全体に、紅斑、丘疹、乾燥、落屑、皹裂などがみられ、赤みが強い。特に胸部より上の症状が重く、頭皮からは滲出液が出てベタベタしている。入浴などで温まった時やストレス、睡眠不足で悪化しやすい。喉が渇いて冷たい物を好む。ステロイド軟膏などで対処しているが、一進一退。」とのことでした。症状が強いため、まずは、「標」である「湿熱」を治療することを主として、竜胆瀉肝湯を服用して頂くことにしました。皮膚の潤いを補うとともに、血熱を冷ますことも期待して、瓊玉膏も併用しました。
4ヶ月ほど経過し、悪化、緩解を繰り返していましたが、赤み、痒みも落ち着いてきたので、気血を補う「本治」を主体にした治療に切り替え、現在は、千金内托散と瓊玉膏を服用して頂いています。ご家族の協力もあり、漢方薬の服用に加え、スキンケアも熱心に行っていますので、経過は良好です。漢方薬の卒業も遠くはないと思っています。
「標治」と「本治」は患者さんの症状に合わせて、段階的に、或いは併行して行います。どのような場合でも、「アトピーには、○○湯」と決めつけずに、皮膚症状や個々の体質をしっかり把握し、段階に応じて、きちんと判断して的確な漢方薬をセレクトすることが、漢方治療において、最も重要です。

VOL.43 虚弱児

虚弱児 A君は6才の男の子。お母さんにつれられてやってきました。「汗をかきやすいせいかたびたび風邪をひく。風邪をひくと長びいてなかなか治らない。食が細い。疲れ易くごろごろしていることが多い。」といった色白の少年です。 虚弱児は文部科学省の定義では、 (1)病気にかかりやすく、治りにくい。 (2)疲労しやすい。 (3)身体発育がおくれている。 (4)顔色が悪く貧血傾向。 (5)アレルギー症状をくりかえす。 (6)不定愁訴がある。 といったところですが、西洋医学では決め手となる治療手段は持ち合わせて […]

VOL.76 更年期障害

更年期障害は西洋医学では、卵巣機能の低下によるホルモンの分泌不足、家庭環境や社会環境の変化による精神的ストレスなどを原因とする閉経前後にみられる身体的、精神的な諸症状とされています。漢方では経断前後諸症などと称し、加齢に伴って腎精が減少しその結果、精神活動の要である「心」、自律神経と関わりの深い「肝」、決断力や快適な睡眠を生み出す「胆」などに影響を及ぼすことによって起こる身体のバランスの失調と考えています。 更年期障害の症状や程度は千差万別ですが、それらを漢方的なものさしで、きちんと分析すること […]

VOL.134 首の凝り

25才のAさん。 「首の凝りがひどく、目眩や頭痛を伴うこともある。お仕事上、パソコンなどで目を使うことが多い。症状は夕方に強くなりやすく、疲労や睡眠不足、ストレスなどで悪化しやすい。また、時には朝起きたときに首が強ばっている。疲れやすく、冷え性。時々寝つきが悪い。やや便秘気味。」といった症状でした。 疲労や目の使いすぎによる陰血虧虚を主とし、ストレスによる肝鬱気滞や冷えによる陽気虚衰を兼ねると考え、逍遙散と人参養栄湯を併用することにしました。二週間でかなり回復。憂鬱な表情は消え、元気に来局してく […]

VOL.177 長引く咳 ~その2~

漢方では咳嗽は肺の宣発・粛降機能が失調し、肺気が上逆することによって発症すると考えています。急性のものは、気温などの環境の急激な変化や煙やホコリなどの身体への侵入を中心に考察し、一方、慢性のものは、五臓六腑などの不調が肺に影響を及ぼしていると考えます。 43歳のA子さん、「1ヶ月くらい咳と痰が止まらない。痰の量は多くない。感冒に罹りやすく、そのたびに、同じような症状が長引く。明け方や運動後、冷たい飲食物の摂取などで悪化しやすい。寒がりで手足が冷えやすい。温かい飲み物を好む。」といった症状でした。 […]