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元気堂の漢方薬通信

VOL.148 アトピー性皮膚炎~その20~

当薬局で最もご相談の多い疾患の一つであるアトピー性皮膚炎ですが、漢方的に見たその発症の仕組みは複雑で、患者さん一人一人少しずつ異なります。その中で、脾胃(消化器)などの内臓は、冷えているのに、患部である皮膚は、乾燥や熱感がみられるケースがあります。
「30才のAさん。幼少期からアトピー性皮膚炎と診断され、増悪・緩解を繰り返していたが、社会人になってから、過労や睡眠不足で悪化した。顔面を含め、上半身を中心に、淡紅色の紅斑や鱗屑がみられ、乾燥し痒みが甚だしい。入浴後、疲労、睡眠不足などで悪化しやすく、入浴中は緩解する。手足が冷えやすく、寒がりだが、すぐ汗をかく。温かい飲み物を好み、食後は眠くなったり、お腹が張ったりしやすい。」との事でした。患部症状や体質などから、「脾陽虚」のために、正気(気・血・津液・精)の生成が低下し、皮膚を滋養できず、バリヤ機能や潤いに不調をきたしていると考え、附子理中湯と四物湯を服用していただくことにして、スキンケアの指導もさせていただきました。皮膚のダメージを改善するため瓊玉膏も併用しました。半年ほどでつらい症状はなくなり、一年くらいですっかり落ち着きました。
 アトピー性皮膚炎は、西洋医学でも根治する明確な治療法は確立されていないのが現状です。また、漢方においても「こうしたら、アトピー性皮膚炎は治る」といったマニュアルのようなものは無く、個々の患者さんの症状に合わせた、臨機応変で細やかな対応が必要となります。中国などに比べ、日本人にアトピー性皮膚炎が多いのは、体質や生活様式によるものだと考えられます。当薬局では、その部分に重点を置き、中医皮膚病学をベースに日本人の体質に合わせて、独自の漢方治療を行っています。是非、一度ご相談下さい。

VOL.48 肌荒れ

今年は冷夏のため、日焼けによるトラブルの御相談はほとんどありませんが、「肌荒れ」はそれとは無関係。一年を通してみられる病症です。 皮膚は常に外気にさらされているため、気候の影響を強く受けます。 春季に多くみられるのが、あちこちに痒みや発疹が出る「風熱」タイプ。 夏季に多いのが、皮脂が浮いてテカテカしてくる「湿熱」タイプ。 秋冬になると、カサカサとした乾燥や粉をふく感じの「血虚」タイプや「陰虚」タイプが主体になります。ただ昨今は、エアコン等のため、単純にはいきませんが。 その他、気候とは関係なく、 […]

VOL.92 水イボ

Yちゃんは、2才の女の子。 「3ヶ月ほど前に発症し、直径1~3mmくらいのいぼが腹部と腰部に、たくさんできている。よく見ると水イボ特有の中央のくぼみがある。痒みがあるため、ひっかいて赤くなっている。カゼを引きやすく、汗をかきやすい。寒がりで暑がり。食欲は旺盛。」といった症状でした。 衛気虚と判断し、桂枝加黄耆湯を服用してもらうことにしました。 二週間後、来局したYちゃんのお腹は、すっかりキレイになっていました。お母さんのお話だと一週間ほどで、すっかりよくなったとのこと。 水イボに、漢方薬は有効で […]

VOL.60 アトピー性皮膚炎4

今回も当薬局で最近ご相談が多い「アトピー性皮膚炎」です。 「35歳の男性。幼少期よりアトピー性皮膚炎。断続的にステロイド軟膏にて治療している。全身にわたり皮膚暗褐色~濃紅色で乾燥、痒みが甚だしい。患部は肥厚や落屑、皹裂などがみられる。夕刻や入浴後、疲労、睡眠不足で悪化する。夕刻になると頬や手足が火照り喉が乾いてくる。盗汗をかきやすい。やや便秘気味。」との事でした。患部症状や病歴から『陰虚火旺』タイプと判断し、知柏地黄丸を服用してもらうことにして、スキンケアの指導もさせていただきました。 30日ほ […]

VOL.67 漢方治療の原則

漢方治療の原則に「治病求本(病を治するには必ず本を求む)」という言葉があります。これは、病気を治すためには、必ずその本質を明らかにしなければならないという意味です。カゼだから○○湯、下痢だから○○湯、鼻炎には○○湯、生理痛には○○湯…では、効果は期待できません。その症状がどのような原因で、どのような仕組みで起きているかを考察し、病気の本質を探求することが、漢方治療において大変重要です。 頭痛を例にとってみましょう。 まず、その方の自覚症状をお聞きします。その際、痛む部位、どのような痛みか、随伴症 […]