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元気堂の漢方薬通信

VOL.71 アトピー性皮膚炎~その6~

「24才女性、1才半からアトピー性皮膚炎。5年ほど前から地元のA漢方薬局にて、漢方治療。3年ほど服用したが、改善がみられずむしろ悪化したため、皮膚科に受診し、ステロイド治療。
昨年12月より、当薬局の知人であるB薬局にて漢方治療、やや良いが一進一退なので。」とのことで、B薬局さんからのご紹介で、他県から当薬局にご来店されました。
「手足が冷えやすく寒がり。疲れやすい。皮膚症状は、眼瞼部や顎、首、両腕が特にひどく、痒みはもちろん、赤み、乾燥、肥厚、落屑、血痂がみられる。過労や睡眠不足、ストレス、月経前に悪化しやすい。一方、休息、リラックス、入浴中などは、緩解する。」特にお風呂で温まると具合が良いらしく、「入浴中が唯一、私の幸せな時間です。」と話してくれました。

気血両虚と陽虚を兼ねていると考え、十全大補湯を服用していただくことにしました。皮膚のダメージを改善するため瓊玉膏も併用しました。現在、服用開始から2ヶ月半ほど経ちますが、一番気になっていた顔の部分は、ほとんど落ち着きました。両腕もかなり改善し良い感じです。ご本人も長いトンネルから抜けられたようで、とても前向き。このまま、ほぼ順調にいけそうです。

「アトピー性皮膚炎」は、当薬局でも御相談が多い疾患の一つです。漢方ではアトピー性皮膚炎を、「風熱証」「風湿証」「湿熱証」「燥熱証」「血熱証」「脾気虚証」「脾虚生湿証」「気血両虚証」「血虚風燥証」「陰虚証」「肝気欝結証」「血瘀証」などのタイプに分類し、約八十種類ほどの処方を使い分けていきます。他の疾患と同様、「アトピーには、○○湯」と決めつけずに、皮膚症状や個々の体質をきちんと判断して的確な漢方薬をセレクトすることが、治療の早道となります。

VOL.103 頭痛4

36才のAさん。 「2年ほど前から、側頭から後頭部にかけて隠痛或いは脹痛を生じ、目眩を伴う。ストレス、疲労などによって悪化しやすく、生理前後は特に発症しやすい。疲れやすく、不安、イライラ、耳鳴がある。緊張しやすく、目が疲れ、首や肩が強ばっている。」との事。 「肝気鬱結」と「気血両虚」を兼ねていると考え、逍遙散と十全大補湯を服用していただきました。 一ヶ月ほどで、次第に頭痛が起こらなくなりました。一日おきに服用していた鎮痛剤もほとんど不要になり、「漢方薬って効くんですね。」と喜んでいただけました。 […]

VOL.82 更年期障害 ~その2~

更年期障害は西洋医学では、卵巣機能の低下によるホルモンの分泌不足、家庭環境や社会環境の変化による精神的ストレスなどを原因とする閉経前後にみられる身体的、精神的な諸症状とされています。漢方では経断前後諸症などと称し、閉経前後に腎精が急速に減少することにより、精神活動の要である「心」、自律神経と関わりの深い「肝」、決断力や快適な睡眠を生み出す「胆」などに影響を及ぼすことによって起こる身体のバランスの失調と考えています。腎精の消耗は閉経だけでなく、過労や不摂生などでもおこりますので、年齢に関係なく更年 […]

VOL.67 漢方治療の原則

漢方治療の原則に「治病求本(病を治するには必ず本を求む)」という言葉があります。これは、病気を治すためには、必ずその本質を明らかにしなければならないという意味です。カゼだから○○湯、下痢だから○○湯、鼻炎には○○湯、生理痛には○○湯…では、効果は期待できません。その症状がどのような原因で、どのような仕組みで起きているかを考察し、病気の本質を探求することが、漢方治療において大変重要です。 頭痛を例にとってみましょう。 まず、その方の自覚症状をお聞きします。その際、痛む部位、どのような痛みか、随伴症 […]

VOL.205 ストレスと漢方

新型コロナウィルス感染症の予防や対策のため、生活パターンや環境が急速に変化し、不安や憂鬱な気持ちで過ごされている方が少なくないと思います。漢方では、怒(怒り)・喜(喜び)・憂(憂い)・思(思い)・悲(悲しみ)・恐(恐れ)・驚(驚き)という感情の変化を七情といいます。 七情は、もともと外界事物に対する自然な感情表現であり、通常は発病因子にはなりません。しかし、強烈な精神的ストレスを受けたり、長期的に精神的刺激を受け続けると、生理的に調節できる許容範囲を超えてしまい、臓腑の機能や気血の循環などが不調 […]