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元気堂の漢方薬通信

VOL.212 冬の養生法

漢方の聖典の一つである『黄帝内経素問』の四気調神大論には、

「冬三月、此れを閉蔵と謂(い)う。水凍り、地裂ける。陽を擾(みだ)すことなかれ。」と書かれており、冬は、万物の機能が閉蔵し、寒さが強いため、人体の陽気の損傷に気をつける必要があることを説いています。

1.寒さ対策

『黄帝内経素問』の厥論には、「陽気は足の五指の表より起こり、陰脈なる者は、足下に集まりて足心に聚(あつ)まる。」と記されています。足には重要な三つの陽経の終点の経穴と三つの陰経の起点の経穴があります。漢方では、「寒従脚起」といって「寒さは足下からやってくる。」という考え方があり、足を冷やしてしまうと足だけではなく、経絡の陽気も損傷しやすくなるため、様々な疾患の原因になります。また、陽気の損傷による防御作用の低下から感冒などに対する抵抗力も弱くなります。

元気に過ごすためには、足を暖かく保つことは大変重要です。

2.冬の睡眠

『黄帝内経素問』の四気調神大論には、「早く臥し、晩(おそ)く起き、必ず日光を待ち、・・・」とあり、冬は他の季節より、「早寝遅起」を推奨しています。お仕事や学校などで、「遅起」は難しいと思いますが、いつも以上に夜更かしを避け、ゆっくりと休みたいものです。

3.冬の食べ物

漢方では、冬は水の季節であり、五臓では腎の養生が大切といわれています。黒色の食材を摂ると良いとされ、黒豆・黒ゴマ・黒キクラゲ・黒米・黒ナツメ・プルーンなどが推奨されます。その他、山芋・里芋などのミネラルの多い根菜も腎を滋養します。身体を温めるには、鶏肉・羊肉などの温性の肉類も大切です。

現代社会に生きていると、養生を徹底することは、なかなか難しいですね。

私自身も、実践できてないことだらけですが、

少しでも季節に応じた養生法で、元気に過ごしたいものです。

VOL.120 不妊9

日本において妊娠を望むカップルの10組に1組が不妊に悩んでいるといわれています。その原因が男性にある場合と女性にある場合の比率は、ほぼ同程度だそうですが、女性がご自身のせいではないかと悩んだりストレスや不安感を感じて相談にみえるケースが多いように思います。 女性の身体はとてもデリケートでストレスなども大きく影響します。きめ細やかに漢方薬を使い分けて、月経の状態や周期を整えていくことが大切です。 「36歳、主婦の方、結婚して2年になるが、子供ができない。月経周期は35日で、ストレスがあると遅れやす […]

VOL.37 不妊

『中医症状鑑別診断学』によると、「妊娠適齢な女性が避妊を行わずに、結婚後3年以上妊娠しないこと」または、「過去に妊娠歴があって避妊せずに3年以上妊娠しないこと」を不妊(漢方では不孕(ふよう)といいます。)としています。前者を「原発性不孕」後者を「継発性不孕」といいます。 「26歳の主婦の方、結婚後3年ほど経つが子供ができない。月経周期は35日くらい。月経時に下腹部や乳房が張って痛い。経血に塊があることがある。イライラや不安感も強く、周囲に子供のことを聞かれるのが苦痛である。」とのこと。肝気鬱結証 […]

VOL.147 膝の痛み

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VOL.206 アトピー性皮膚炎と「バリア機能」

アトピー性皮膚炎は、皮膚の外側から来る刺激に対して、皮膚の内側がアレルギー反応を起こして発症するといわれています。外側からの刺激を受けやすい「皮膚バリア機能の低下」とアレルギー反応を起こしやすい「アトピー素因」とが、関わっていると考えられます。皮膚バリア機能の低下は、漢方では正気の不足と考えます。特に防御作用を受け持つ衛気という気が重要です。衛気が不足すると外部からの刺激や異物が入りやすくなります。また、津液や血の不足は、皮膚を滋潤することができずドライスキンとなります。 9才のA君「腕や膝裏、 […]