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元気堂の漢方薬通信

VOL.175 低体温を伴う頭痛

頭痛は、臨床上よくみられる自覚症状の一種で、頭痛を引き起こす疾病は多岐にわたります。西洋医学でも、頭痛専門の頭痛外来も多くなり、頭痛で悩んでいる患者さんは増加しています。最近は、スマホやパソコンなどで、目に負担をかけていることから、眼痛・眩暈・耳鳴・肩こりなどを伴うケースも少なくありません。
16才の高校生A子さん。「昨年の春から、後頭部が重く痛み、倦怠感、目眩などを伴う。授業中など、緊張やストレスで悪化しやすい。月経前にイライラしたり、胸が張って痛くなる。月経痛が重い。低体温で35℃台、足が冷える。食欲にムラがあり、食後眠くなりやすい。」との事。「脾腎陽虚」と「肝風内動」を兼ねていると考え、附子理中湯と抑肝散を服用していただきました。1ヶ月ほどで、ほぼ毎日発症していた頭痛が3日間になり、月経痛もありませんでした。その後も次第に頭痛が起こらなくなり、とても元気そうです。体温も36℃台で安定しているようです。
漢方治療では、その方の症状、体質から、頭痛を気候や環境の影響による「風寒」「風熱」「風湿」「暑湿」「実寒」、ストレスによる「肝気鬱結」「肝火上炎」「肝風内動」、水分代謝が悪いために生じる「痰飲」、暴飲暴食などによる「胃熱」「食滞」、血液の流れが悪い「瘀血」、過労や睡眠不足が引き起こす「気虚」「陽虚」「血虚」「陰虚」、加齢による「腎虚」などのパターンに分類していきます。そして、パターンに応じた治療法則を決定し、熟慮した上、漢方薬を選択します。頭痛に使用する漢方処方は、百種類を超えます。
春先は肝気が上昇しやすい季節ですので、「肝火上炎」「肝風内動」などを伴う頭痛が発症しやすくなります。他の疾患と同様、きちんと漢方的に分析して処方を決定することが、頭痛を治療する早道となります。

 

VOL.139 不妊 ~その11~

漢方では、不妊のことを「不孕(ふよう)」といいます。 『中医症状鑑別診断学』によると、「妊娠適齢な女性が避妊を行わずに、結婚後2年以上妊娠しないこと」または、「過去に妊娠歴があって避妊せずに2年以上妊娠しないこと」とあります。 「33歳、パソコンを多く使うお仕事をしている方。結婚後3年ほど経つが子供ができない。月経周期は29~34日。月経前になると、臍傍が痛み、胸が張り、足がむくみ、イライラしやすい。手足が冷えるのは、寒い時と、緊張した時。いつもは温かいものを好むのに、時々冷たいものを少量飲みた […]

VOL.100 不妊~その6~

漢方では、不妊を「不孕」「求子」「無子」「絶産」「絶子」 などと称し、婦人科分野において、古典にも多くの記載がみられます。 実際の治療においては不妊を月経や全身の症状から、「腎陽虚証」「腎陰虚証」「気血両虚証」「肝気鬱結証」「痰湿証」「血瘀証」などに分類し、それぞれに応じた三十ほどの処方を組み合わせていきます。 基礎体温表なども西洋医学とは異なる漢方的な見方があり、また、これといったトラブルが見当たらないのに妊娠しない場合には、月経周期を「月経期」「低温期」「排卵期」「高温期」に分割し、時期ごと […]

VOL.34 膀胱炎

梅雨入りして、数日後のある日、20代半ばの女性が来店されました。 「すみません、猪苓湯下さい。」これは膀胱炎かなと思いながら、いくつか症状をお聞きすると、「以前から膀胱炎になりやすく、他の薬局で『膀胱炎には猪苓湯だよ。』と奨められ二週間ほど飲んでみたがあまり良くならない。」との事。 症状としては「下腹部に不快感があり、軽度の排尿痛がある。小便は回数が多いが、量が少ない。小便の色は、淡黄か無色透明。下半身が重だるく、冷えると悪化する。」猪苓湯の使用目標の「血尿」も「小便黄赤」も「喉の渇き」もまるで […]

VOL.86 頭痛 ~その3~

頭痛とは臨床上、様々な疾患でよく見られる自覚症状の一種です。 頭部は人体の最高部に位置し、臓腑、清陽の気は頭に上がり、手足の三陽経及び督脉が巓頂部に会しています。 また、頭部は肝腎の蔵する精血と脾胃の運化による水穀の精微により、絶えず濡養されています。 このように多くの臓腑、経絡、器官が関連しているため、頭痛を引き起こす原因は多岐にわたります。 気候や環境の影響による「風寒」「風熱」「風湿」「暑湿」「実寒」、ストレスによる「肝気鬱結」「肝火上炎」、水分代謝が悪いために生じる「痰飲」、暴飲暴食など […]