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元気堂の漢方薬通信

VOL.163 膝の痛み ~その2~

膝は、関節の自由度が大きく、かつ不安定関節であるにも拘わらず、体重の負荷が掛かりやすいため、損傷しやすい部位の一つです。痛みとともに、可動制限や腫れ、水が溜まるなどの症状を伴うことも多くみられます。

「74歳のA子さん、半年程前から膝のやや内側やふくらはぎなどが痛む。痛みは引きつるような痛みが多く、時折刺すように痛むこともある。膝裏が引きつることもある。普段から、下半身が重だるく、疲れやすい。痛みは、冷えや疲労で悪化しやすい。食欲正常で温かいものを好む。」とのことでした。

気血両虚、肝腎虚損に瘀血阻絡を兼ねていると考え、独活寄生湯と補陽還五湯を服用していただくことにしました。また、填精補髄により、骨や関節をしっかりさせるために瓊玉膏を併用しました。1ヶ月程で痛みが軽減し、歩くのが楽になってきたとのこと。さらなる改善をめざして、現在も服用中です。

膝痛の漢方治療は、まず痛む部位、痛みの状態、患部の色、変形などの有無、悪化条件、好転条件などを明確にして、それらを手がかりに証候のパターンをきちんと分別していきます。環境の変化によって悪化する「風痹」「寒痹」「湿痹」「熱痹」、血や水液の流れが悪いために生じる「瘀血阻絡」「痰湿阻絡」「痰瘀阻絡」、ストレスが原因となる「肝気鬱結」、気力、体力の消耗による「気血両虚」「陽虚」「陰虚」「肝腎虚損」等々、その他多くのパターンが考えられます。

いくつかのパターンが、複雑に混在していることが多く、他の疾患同様、きちんと漢方的に判別することが治療のカギとなります。

VOL.114 不妊8

『中医症状鑑別診断学』によると、「妊娠適齢な女性が避妊を行わずに、結婚後2年以上妊娠しないこと」または、「過去に妊娠歴があって避妊せずに2年以上妊娠しないこと」を不妊としています。 「32歳、結婚して5年の主婦の方、結婚2年目に男の子を出産したが、二人目のお子さんができない。月経周期は28~35日、ストレスがあると遅れやすい。月経1、2日目に絞られるような月経痛があり、鎮痛剤を服用する。手足が冷え、基礎体温は、高温期が低め。月経前になるとイライラしやすく、乳房が張って痛い。」とのこと。腎陽虚証に […]

VOL.192 疲労で悪化するアトピー性皮膚炎

西洋医学では、アトピー性皮膚炎は、バリア機能・生理機能が低下した皮膚が、外側からの刺激を受けて発症するとされています。 これを漢方的に解釈すると、人体の抗病能力である正気(気・血・津液・精など)の不足に、外部環境の変化、飲食の不摂生、ストレス、過労などの誘因・増悪因子が加わることにより生じると考えられます。ここで、漢方治療のために大切なのは、外側からの刺激を防ぐことよりも、抗病能力である正気を充実させることです。過労や睡眠不足などで、正気を消耗し、アトピー性皮膚炎が悪化するケースは、多く見られま […]

VOL.93 にきび ~その4~

ニキビというと、中高生の顔にできるものというイメージがありますが、最近は、二十代、三十代の大人ニキビのご相談が多くみられます。漢方においては十代のニキビは、成長期に伴う脾胃の活動過多や月経開始による血熱などが原因になっているのに対し、大人ニキビでは、ストレスや過労、胃腸障害などによる場合が多く、当然、治療法も異なります。 Mさんは36才の女性。20才くらいの時に当薬局でニキビ治療をして完治。その後、再発していなかったが、結婚、出産を経て、育児をするようになり発症。「以前とは異なり、面部全体に小丘 […]

VOL.59 アトピー性皮膚炎3

前回に引き続き「アトピー性皮膚炎」のお話です。 「30歳の女性、A子さん。数年前にアトピー性皮膚炎と診断され、ステロイド軟膏を塗布。一時的には良くなるが再発し、徐々に悪化している。眼瞼部や頬、口周囲が特にひどく、赤み、乾燥、肥厚、落屑がみられる。月経前にひどくなりやすく、過労やストレスでも悪化しやすい。以前、アトピー性皮膚炎に良いといわれる温清飲という漢方薬と健康食品を服用していたが、改善しない。」との事でした。 温清飲は、「血熱証」のアトピー性皮膚炎に用いる漢方薬ですが、A子さんのタイプは、「 […]