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元気堂の漢方薬通信

VOL.142 動悸

漢方では、「胸に動悸を感じ、不安を自覚する病症」を「心悸」といいます。外部からの驚恐・悩怒などのストレス時に発病するものを「驚悸」、外部刺激が無く、少しの疲労などでも発作をおこすものを「怔忡」として区別しています。
「37才のA子さん、数年前から、様々なストレスにより、動悸がするようになった。発作時には、悪心や目眩、耳鳴などを伴うことが多い。普段から不安感があり、寝付きが悪く、眠りも浅い。食欲が無く、疲れやすい。頭冒感、肩こりがあり、時々、熱感を生じる。」とのお話しでした。顔色も悪く、心身ともに疲れ切っているようです。
 心脾両虚による心神失養に加え、脾失健運により生痰、痰火擾心となり心神擾乱を兼ねていると考え、帰脾湯と温胆湯を服用していただきました。1ヶ月後、動悸、悪心、頭冒感が軽減し、食欲も出て、寝付きが良くなりました。4ヶ月後には、ほとんどの症状は消失し、顔色も良く、「ウソみたい…。」とお元気そうです。
 漢方では、動悸の症状や過程、悪化条件、好転条件などから、「痰火擾心」「水気凌心」「心血虚」「心陰虚」「心気虚」「心陽虚」「心脾両虚」「心腎不交」「心胆気虚」「心血瘀阻」などに分類し、それぞれに応じた治療方針を決定し、処方を組み合わせていきます。
 家事、育児、仕事と女性は一人何役もこなすことが多く、ストレスや過労などが原因で、動悸、目眩、耳鳴、不眠などを生じているケースは、少なくありません。身体に優しい本物の漢方薬で、リセットしてみませんか?

VOL.214 無月経のコピー

 無月経とは、月経が無い状態をいい、閉経後や妊娠中、授乳中以外で3か月以上月経の来ない状態を続発性無月経、18歳以上になっても初潮の無いものを原発性無月経といいます。漢方では無月経を「経閉」や「閉経」などと称します。(西洋医学における閉経は「絶経」といいます。)  漢方では、無月経の原因を、ホルモンの低下や流産、過労やストレス、過度のダイエット、食事の不摂生、肥満、他の慢性疾患の影響などと考えており、「肝腎不足」「気血両虚」「陰虚血燥」「気滞血瘀」「痰湿阻滞」などのパターンに分類して治療していき […]

VOL.150 頭痛6

五臓の精血、六腑の清陽の気は経絡を通って、皆、頭に注いでいることから、頭部は“諸陽の会”“清陽の府”と呼ばれています。多くの臓腑、経絡、器官が関連しているため、頭痛を引き起こす原因は多岐にわたります。 気候や環境の影響による「風寒」「風熱」「風湿」「暑湿」「実寒」、ストレスによる「肝気鬱結」「肝火上炎」、水分代謝が悪いために生じる「痰飲」、暴飲暴食などによる「胃熱」「食滞」、血液の流れが悪い「瘀血」、過労や睡眠不足が引き起こす「気虚」「陽虚」「血虚」「陰虚」、加齢による「腎虚」などのパターンに分 […]

VOL.185 冷えと花粉症

今年も花粉症と聞いただけで、鼻がムズムズしてくるイヤな季節がやってきました。西洋医学の薬をのむと眠くなったり、喉が渇いて不都合な方、アレルギー体質を改善したい方は、漢方治療にトライしてみましょう。花粉症(アレルギー性鼻炎)は漢方では、「鼻鼽」といいます。他の疾患同様、「花粉症」という病名にとらわれずに、症状や体質から、きちんと漢方的に分類する事が、治療する上で最も重要となります。当薬局では、花粉症を大きく二十三のパターンに分類し、約五十種類の処方を使い分けています。その中で比較的多くみられるパタ […]

VOL.105 関節リウマチ2

43才の女性、「手足の強ばりがあり、起床時に手指の浮腫がみられたので、病院で検査をしたところ、リウマチの初期と診断された。起床時や寒さにより疼痛が起こり、温めると楽になる。仕事が大変忙しく、身体が重だるく、倦怠感が激しい。月経時に微熱が出る。肩こり、眼精疲労などがある。疲れているのに夜間に一度目が覚める。便秘と下痢を繰り返しやすい。」とのことでした。 気血両虚、陽虚、肝気鬱結を兼ねていると考え、十全大補湯と四逆散を服用して頂くことにしました。 1ヶ月間ほどの服用で痛みや強ばりを感じなくなり、倦怠 […]