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元気堂の漢方薬通信

VOL.81 にきび ~その3~

ニキビというと、中高生の顔にできるものというイメージがありますが、最近では、二十代、三十代の大人ニキビのご相談の方が多くみられます。
漢方においては十代のニキビは、成長期に伴う脾胃の活動過多や女子では月経開始による血熱などが原因になっているのに対し、大人ニキビでは、ストレスや過労、胃腸障害などが関わっている場合が多くみられます。当然、治療法は同じではありません。
Mさんは23才の女性。「両頬に特に多く、最近とっても気になる。按圧すると痛いことがある。月経前や疲労、睡眠不足で悪化する。月経も不順で手足が冷え、肩こり。清上防風湯という漢方薬がニキビに良いと聞いて試してみたが、かえって悪くなるような気がする。」との事。なるほど、頬に晦暗色の丘疹がみられます。ストレス、睡眠不足などから「気滞血お」を生じていると判断し、血府逐お湯を服用して頂きました。睡眠不足などによる精血の消耗も影響していると考えて、瓊玉膏も併用しました。半年ほどで月経も安定し、ニキビもきれいになりました。
漢方では、ニキビ・吹き出物を「粉刺」と称し、色、形、好発部位、悪化条件、随伴症状などから、「風熱」「脾胃湿熱」「肝胆湿熱」「実寒」「肝気鬱結」「痰凝」「血お」「脾気虚」「陽虚」「陰虚」「気血両虚」等々のパターンに分類し、更に症状、体質を分析して、約八十種類ほどの薬方を使い分けていきます。
皮膚疾患全般に言えることですが、患部症状をよく観察して漢方薬を決定することが治療の早道となります。

VOL.134 首の凝り

25才のAさん。 「首の凝りがひどく、目眩や頭痛を伴うこともある。お仕事上、パソコンなどで目を使うことが多い。症状は夕方に強くなりやすく、疲労や睡眠不足、ストレスなどで悪化しやすい。また、時には朝起きたときに首が強ばっている。疲れやすく、冷え性。時々寝つきが悪い。やや便秘気味。」といった症状でした。 疲労や目の使いすぎによる陰血虧虚を主とし、ストレスによる肝鬱気滞や冷えによる陽気虚衰を兼ねると考え、逍遙散と人参養栄湯を併用することにしました。二週間でかなり回復。憂鬱な表情は消え、元気に来局してく […]

VOL.82 更年期障害 ~その2~

更年期障害は西洋医学では、卵巣機能の低下によるホルモンの分泌不足、家庭環境や社会環境の変化による精神的ストレスなどを原因とする閉経前後にみられる身体的、精神的な諸症状とされています。漢方では経断前後諸症などと称し、閉経前後に腎精が急速に減少することにより、精神活動の要である「心」、自律神経と関わりの深い「肝」、決断力や快適な睡眠を生み出す「胆」などに影響を及ぼすことによって起こる身体のバランスの失調と考えています。腎精の消耗は閉経だけでなく、過労や不摂生などでもおこりますので、年齢に関係なく更年 […]

VOL.197 胃腸虚弱とアトピー性皮膚炎

漢方では「肺は皮毛に合す」「脾は肌肉を主る」といいます。これは、健康な皮膚を保つためには、肺や脾(漢方では消化器系のリーダーのことです。)の生理機能が大きく関わっていることを示しています。肺や脾の生理機能が低下すると、皮膚の栄養が不足し、滋養されないと乾燥や痒みを生じます。また、皮膚のバリア機能が低下し、外界からの刺激に反応しやすくなります。 「33才男性、幼少期からアトピー性皮膚炎。しばらく症状は落ち着いていたが、5年程前から悪化してきた。普段から胃腸が弱く、下痢をしやすい。疲れやすく、食後は […]

VOL.193 過敏性腸症候群(IBS)の漢方治療

日本消化器病学会ガイドラインによると、過敏性腸症候群(IBS)は、「お腹の痛みや調子がわるく、それと関連して便秘や下痢などのお通じの異常(排便回数や便の形の異常)が数ヵ月以上続く状態のときに最も考えられる病気です。」と記載されています。食べ物を消化・吸収し、不要なものを便として体の外に排泄するための腸の収縮運動や知覚機能は、脳と腸の間の情報交換により制御されています。この情報交換の信号が、過敏に強くなってしまうと、過敏性腸症候群(IBS)を引き起こします。 「34才のA子さん。数ヶ月前から、下痢 […]