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元気堂の漢方薬通信

VOL.75 生理痛 ~その3~

21歳の女性。「月経の直前から3日目にかけて、下腹の中心から側腹に刺されるような激しい痛みを生じる。寒さや冷えで痛みが悪化し、温めると軽減する。また、夜間は痛みが激しい。月経周期は28日前後で安定。月経前に乳房が脹って痛い。手足が冷える。食欲はあるが疲れやすい。風邪もひきやすい。肩や首が凝る。子宮筋腫がある。」とのお話。
気滞血お証と実寒証を兼ねていると考え、「折衝飲」と「安中散」を服用していただきました。2ヶ月ほどで生理痛をほとんど感じなくなり、顔色も良く元気そうです。現在は冷えと筋腫を目標に漢方薬を服用中です。

生理痛は、漢方では、「経行腹痛」「痛経」等ともいい、月経期或いは月経前後に、下腹部に耐え難い痛みが生じる事をいいます。比較的、漢方薬がよく使われている疾患の一つですが、きちんと効果を上げるためには、他の疾患同様、本来の漢方の使い方をする事が必須です。そのため、漢方治療では、月経や全身の症状から、それぞれのパターンに分類し、そのパターンの中から更に適した処方を決定していく事が最も重要となります。
分類のパターンは、血の流れが悪いことによる『血お証』、辛い物やお酒の摂りすぎによる『実熱証』、反対に冷たい物の摂りすぎや身体を冷やしたことによる『実寒証』、過労などが原因になっている『気虚証』、血液の不足がまねく『血虚証』、ストレスが痛みを引き起こす『肝気鬱結証』等々、多種にわたります。
治療方針の決定には、特に痛みの状態や時期(生理前、生理前半、生理後半など)、悪化条件、好転条件などが重要になります。

VOL.187 頭が良くなる漢方薬?

店頭で、ときどき、「先生、うちの子、勉強しなくて困るのよ。頭が良くなる漢方薬ってない?」と冗談まじりにおっしゃる方がいます。もちろん、勉強しないで成績が上がる漢方薬はありませんが、記憶力や集中力を向上させる漢方薬はあります。漢方では、「腎は精を蔵し、精は髄を生ず。」といいます。腎に蓄えられている腎精から、髄が生成され、それが、骨髄、脊髄、脳髄となり、骨や脳を健康に保っていると考えています。過労や睡眠不足、老化などで、腎精を消耗すると、足腰の怠さ、腰痛、関節痛、疲労倦怠感、骨や歯の弱りなどに加えて […]

VOL.31 喘息(ぜんそく)

ある日の午前中の事です。三十代半ばくらいの女性が来局し、「子供が喘息なので、小青竜湯をください。」との事。お話をお聴きすると、「小学一年生の女の子、月に1~2回の発作を繰り返し、今も軽い発作が起きている。咳やゼーゼー、黄色い粘っこい痰をだす。喉が渇いて、冷たい物を欲しがる。」といった症状でした。 小青竜湯の適応である『冷哮』の「透明~白い痰をだす。喉は渇かず、温かい物を好む…。」とは、まるっきり当てはまらず、むしろ正反対の『熱哮』のパターン。その方に、「同じ小児喘息でも漢方では、タイプによって処 […]

VOL.132 ガンの補助療法

昨今、ガン治療や抗ガン剤の是非について、様々な書籍や情報があふれています。薬局店頭でも、「ガンには、どんな漢方薬が良いのですか?」といったお問い合わせも少なくありません。お問い合わせの中には、漢方と信じて、あまり裏付けのない高額なサプリメントを服用している例も多く見られます。  当然のことですが、ガンに効果がある漢方薬といっても、一つの処方がすべての患者さんに良いということはありえません。他の疾患同様、患者さんの症状や体質により適応する処方は様々です。  東洋医学には、「扶正袪邪」という原則があ […]

VOL.141 五十肩 2

52才のSさん。「左肩の関節や肩周囲が重苦しく痛み、腕が挙げられない。痛みは重だるさを伴い、動かすと刺すような痛みがする。ひどいときは、パソコンの操作や運転もしにくいほど激痛。過労や雨などの多湿で悪化し、入浴すると少しだけ楽になる。」との事。「寒湿」と「血瘀」を兼ねていると考え、二朮湯と補陽還五湯を服用して頂くことにしました。Sさんの状態と漢方薬がうまく適合できたようで、一週間で著効がみられました。腕を挙げてみせてくれて、嬉しそうです。 五十肩は、西洋医学では「肩関節周囲炎」といわれ、40~50 […]