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元気堂の漢方薬通信

VOL.67 漢方治療の原則

漢方治療の原則に「治病求本(病を治するには必ず本を求む)」という言葉があります。これは、病気を治すためには、必ずその本質を明らかにしなければならないという意味です。カゼだから○○湯、下痢だから○○湯、鼻炎には○○湯、生理痛には○○湯…では、効果は期待できません。その症状がどのような原因で、どのような仕組みで起きているかを考察し、病気の本質を探求することが、漢方治療において大変重要です。

頭痛を例にとってみましょう。

まず、その方の自覚症状をお聞きします。その際、痛む部位、どのような痛みか、随伴症状、悪化する条件、楽になる条件、発症の契機、現在までの経過などを考慮することが大切です。
次に、お聞きした内容から、気候や環境の影響による「風寒」「風熱」「風湿」「暑湿」「実寒」、ストレスによる「肝気鬱結」「肝火上炎」、水分代謝が悪いために生じる「痰飲」、暴飲暴食などによる「胃熱」「食滞」、血液の流れが悪い「お血」、過労や睡眠不足が引き起こす「気虚」「陽虚」「血虚」「陰虚」、加齢による「腎虚」などのパターンに分類していきます。
そして、パターンに応じた治療法則を決定し、熟慮した上、漢方薬を決定します。頭痛に使用する漢方処方は、百種類を越えます。
漢方においては、頭痛だけでなくすべての疾患において、症状をきちんと分析して処方を決定することが、治療の早道となります。

VOL.195 多嚢胞性卵巣症候群を伴う不妊

不妊の漢方相談には、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)といわれている方もいらっしゃいます。PCOSは、排卵障害のひとつです。成長を開始した卵子がどれも充分に成長できずに萎縮し、空になった卵胞が、列になって卵巣に残ります。これを超音波で見るとネックレスのように見えるので、ネックレスサインと呼ばれ、PCOSの診断の特徴的な症状です。スムーズに排卵できないので、生理が遅れたり、生理が来ないこともあります。「25歳、結婚して1年。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の疑いがあるといわれた。排卵はしているが卵子の成 […]

VOL.59 アトピー性皮膚炎3

前回に引き続き「アトピー性皮膚炎」のお話です。 「30歳の女性、A子さん。数年前にアトピー性皮膚炎と診断され、ステロイド軟膏を塗布。一時的には良くなるが再発し、徐々に悪化している。眼瞼部や頬、口周囲が特にひどく、赤み、乾燥、肥厚、落屑がみられる。月経前にひどくなりやすく、過労やストレスでも悪化しやすい。以前、アトピー性皮膚炎に良いといわれる温清飲という漢方薬と健康食品を服用していたが、改善しない。」との事でした。 温清飲は、「血熱証」のアトピー性皮膚炎に用いる漢方薬ですが、A子さんのタイプは、「 […]

VOL.138 ニキビ ~その8~

Aさんは16才の女性。 「4年ほど前から頬と前額にニキビができる。色は暗紅色或いは淡紅色で腫脹している。月経前や甘い物の過食で悪化する。月経不順。暑がりで寒がり。ストレスもあり、肩こり、腰痛もみられる。やや軟便気味。睡眠が浅いのか、よく夢を見る。今まで清上防風湯を始め、『ニキビに良い』と言われる幾つかの漢方薬を服用したが効果が見られなかった。」といった症状でした。 ストレスなどが原因で、患部に熱を帯びた「肝火上炎証」に、少し「胃熱証」も兼ねていると判断し、丹梔逍遙散を服用していただくことにして、 […]

VOL.106 不妊7

漢方では不妊を「不孕」と称し、「妊娠適齢な女性が避妊を行わずに、結婚後2年以上妊娠しないこと」を「原発性不孕」、「過去に妊娠歴があって避妊せずに2年以上妊娠しないこと」を「継発性不孕」といいます。 「36歳、お仕事が忙しくストレスも多い。結婚して3年ほど経つが、子供ができない。月経周期は14~90日と不安定。基礎体温は高温期と低温期がはっきりせず、二相にならない。月経前になると便秘し、乳房が張って痛い。疲れやすく、月経の前半には膝から下がむくみ、だるくなる。肩こりがあり、疲れると手足がほてる。」 […]