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元気堂の漢方薬通信

VOL.54 日本人に合った漢方薬

世の中は、漢方ブームなのか、最近、旅行のお土産や個人輸入などで、漢方薬や中国の健康食品などを購入され、それの使い方がわからないなどのお問い合わせが、以前より増えているようです。また、個人輸入の健康食品による副作用などの問題も多く見られています。

漢方には「因地制宜」といった考え方があり、地域が異なると、気候条件や生活習慣も異なり、また人の体質、発生しやすい疾病の種類や特徴なども異なるとされています。つまり、中国大陸における中医学は大変素晴らしいと思うのですが、それを風土・体質が違う日本人にそのまま当てはめる事はできないのです。また、土や水の違いも漢方薬に大きく影響します。

本来「漢方」とは、「中国の医療技術」といった意味ですが、一口に「漢方」といっても同じではありません。細かい流派まで考察すると相当な数になりますが、大きく分類すると、古代に日本に伝わった後、独自に発展した日本漢方(和漢)と中国の現状に近い中医学に分けられます。和漢は日本の環境に応じて発展してきたという長所を持ち、中医学は理論的で医学大系がしっかりしているという長所があります。当薬局では、和漢、中医学の長所を取り入れ、日本人の体質にあった身体にやさしい漢方が治療への早道と考えています。

VOL.72 めまい

「25才女性、職業はシステムエンジニアをなさっています。 主訴は目眩で、回転性の強いものではなく動作時にクラッときたり、立ちくらみ、ふらつきがある。数日前の朝、洗顔時に目がくらみ、顔がのぼせて、立っていられなくなった。頭痛、首・肩のこりがひどい。身体が重だるい。以前、過呼吸になったことがある。夕方になると下肢に軽度の浮腫がみられる。 仕事柄、一日中パソコンのモニターとにらめっこ。そのせいかストレスが強く、イライラする。生理前になるとイライラが強くなり、熱っぽくなる。便秘と下痢をくり返す。めまいは […]

VOL.121 冷え性2

アミーカ11月号は、『冷え性対策』の特集とのことでしたので、今回は、それに合わせて昨年の当薬局のカルテから、「冷え性」の患者さんを検索してみました。  「29歳女性、膝から下の冷えが激しく、寝るときも靴下を履いている。ストレスがかかると冷えがひどくなるような気がする。月経前はイライラしやすく、胸が張って痛い。月経前半に、月経痛あり。普段から肩こりがひどい。下肢は冷えるのに、飲み物は冷たい物が好き。便秘気味でスッキリ出ない。」とのこと。  ストレスが主な原因の「肝気鬱結」と判断して、八味逍遙散を服 […]

VOL.149 ニキビ~その9~

ニキビは、皮膚科学では「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)」、漢方では「粉刺(ふんし)」と称します。ニキビの発症のしくみを漢方的に考えてみると、まず、「脾は肌肉を主る」といい、臓腑の中では脾胃(消化機能)の不調が中心になることが多く、そこに皮脂の分泌を調節する肝の疏泄(自律神経)、腎の虚火(ホルモンの失調)などが深く関係しています。また、皮膚疾患といえども、長期にわたるものは、正気の虚(気・血・津液・精などの不足)を考慮することも重要です。  Aさんは36才の女性。「以前より少しニキビができてい […]

VOL.212 冬の養生法

漢方の聖典の一つである『黄帝内経素問』の四気調神大論には、 「冬三月、此れを閉蔵と謂(い)う。水凍り、地裂ける。陽を擾(みだ)すことなかれ。」と書かれており、冬は、万物の機能が閉蔵し、寒さが強いため、人体の陽気の損傷に気をつける必要があることを説いています。 1.寒さ対策 『黄帝内経素問』の厥論には、「陽気は足の五指の表より起こり、陰脈なる者は、足下に集まりて足心に聚(あつ)まる。」と記されています。足には重要な三つの陽経の終点の経穴と三つの陰経の起点の経穴があります。漢方では、「寒従脚起」とい […]